キリスト教三大巡礼のひとつ、スペインのサンティアゴ デ コンポステーラ大聖堂へ行く巡礼路はいくつもの数があります。
その中のひとつで、スペインの北の海沿いを歩く北の道があります。
清々しい山道と絶景、そして美しい海と美味しいシーフードを楽しめるのが北の道の魅力ですが、アップダウンが多く、アルベルゲやカフェの数が少なく、初心者向けのコースとはいえません。
北の道は、いくつもの大きな町を通過するので、スタート地点を選びやすくもありますが、多くの人が『イルン』『サンセバスチャン』『ビルバオ』あたりから出発します。
今回は、2023年に歩いた『イルン』から『サンティアゴ デ コンポステーラ』までの、828km 39日間の巡礼の費用についてご紹介します。
ここでは、1ユーロ¥160計算でご紹介しています。
現地の費用に関して、ユーロでご紹介していますので、巡礼を考えている方は、現在の為替レートに合わせて計算してみてください。
関連動画:サンティアゴ巡礼 北の道 2023
交通費
主な交通費は、行きの日本から北の道のスタート地、スペインのイルンまで、そして、帰りのサンティアゴ デ コンポステーラから日本までの交通費です。
イルンに行く方法は大きくわけて2つあります。
日本からパリ経由でイルンに行く方法と、日本からマドリード経由でイルンに行く方法です。
どちらもかかる時間と費用は同じくらいです。
国際線の航空券は、マドリードよりパリ行きの方が本数が多く、安いチケットを見つけやすいですが、現在は、コロナと戦争の影響で、航空券は高くなっています。
パリまたはマドリードから、イルンまでは、飛行機、電車、バスで行く方法があります。
バスが安いですが、時間が2倍ほどかかります。
飛行機と電車は、日にちと時間、乗車状況によって料金が変動しますし、ハイシーズンやイベントと重なると高くなり、逆にオフシーズンは安くなります。
帰りは、サンティアゴ デ コンポステーラから、パリまたはマドリードまで戻る方法は、飛行機、電車、バスがあり、同じように料金と時間が変わってきます。
飛行機が1番高いですが、日にちや時間、オフシーズンには、バスと同じくらい安いチケットが見つかる可能性があるので、調べてみる価値はあります。
北の道では、数ヶ所ボートに乗って移動する場所がありますが、どれも数ユーロ程度です。
日本 ⇄ パリ (航空券) ¥120000
パリ → イルン (電車) 168ユーロ ¥26880
サンティアゴ デ コンポステーラ → (パリ市内 航空券&バス) 175ユーロ ¥28000
合計 ¥174880
宿泊費(アルベルゲ・ホテル)
北の道のアルベルゲは、ドネーション、公営、私営、ドミトリーがあります。
巡礼者だけが使用するというより、自転車で旅をしている人たち、若者たちなどツアーリストも多く使用するため、アルベルゲ争奪戦があります。
ハイシーズンや大きな町、海水浴ができるところでは、フルになりやすく、アルベルゲ代も値上がります。
ドミトリーで40ユーロしたことも!
北の道はアルベルゲが少なく、次のアルベルゲまで10km以上、どこもフルなんてことがあります。
1っヶ月ほどの長旅なので、安いアルベルゲに泊まりたいところですが、時に、高くても出さなければならない時がある!と思って、予算に余裕を持っておきましょう。
友達とシェアをして、ホテルに泊まるのもありで、割ればアルベルゲと同じくらい、少し高いくらいになります。
アルベルゲがフルでも、ホテルなら見つかる!ということもあります。
巡礼仲間とは、明日どこまで?という話を頻繁にしますので、目的地が同じで、アルベルゲを探している仲間にホテルシェアの相談をしてみるのもおすすめです。
北の道は、ドネーション(寄付)のアルベルゲが多くあり、宿泊だけでなく、食事もドネーションで提供してくれているところがあります。
馴染みのないシステムで、いくら寄付したらいいのか悩んでしまうかもしれませんが、あなたが受け取ったホスピタリティ、使用した設備などを考えて寄付をするといいでしょう。
みなさん、設備が整い快適だったアルベルゲ、親切でお世話になったアルベルゲには少し多く寄付をする傾向にあります。
やっぱり気持ちなんですよね!
ドネーションアルベルゲ:あなたの気持ち
小さな町のアルベルゲ:8〜15ユーロくらい
大きな町、海沿いのアルベルゲ:17〜30ユーロくらい
ホテル:40ユーロ〜
アルベルゲ代は、平均すると1泊18ユーロ ¥2880くらい
実際にかかった宿泊費は、675ユーロ ¥108000くらい
食費・雑費
巡礼は体力勝負なところもありますし、スペイン料理を楽しみたい方もいると思います。
北の道は、海沿いにあるリゾート地や大きな町をいくつも経由するので、食べ物に困ることはありませんし、スペイン料理も楽しめます。
巡礼でお世話になる食事のひとつに、『ペリグリーノメヌー』があります。
日本で言う定食、手軽なコース料理のようなもので、前菜、メイン、飲み物、デザート(ない場合もある)のセットで、好きなものをチョイスして組み合わせられます。
ペリグリーノ=巡礼者ということで、巡礼者ようの定食という感じですが、北の道では、ほとんどのお店で「メヌー」を楽しむことができます。
何が違うのか・・・という点ですが。
スペインのレストランでは普通にメヌーなるものが存在していて、北の道では巡礼者用みたいな感じで分けられていないだけだと思います。
メヌーは、だいたい12〜17ユーロくらいで、コロナ前より2〜3ユーロ高くなった感じがあります。(フランス人の道も値上がりしているようです)
一品料理は、10〜30ユーロくらいで楽しめます。
パエリアは、二人前からの注文がほとんどなので、友達を誘って食べるのをおすすめします。
会計に関して心配な方もいるかと思いますが、バルやレストランでは、先にレシートを見せてくれ、注文したのがあっていれば支払いをする流れなので安心してください。
ペリグリーノメヌー 12〜17ユーロ
・前菜(スープ・サラダ・パスタ)
・メイン(肉・魚)
・飲み物(水・ワイン)
・デザート(ヨーグルト・アイス)
朝食は、アルベルゲの朝食をお願いするか、前日に買ったものを食べることになります。
アルベルゲの朝食は、3〜5ユーロくらいです。
アルベルゲ代に朝食付きの場合もあれば、別料金の場合もあるので確認するといいでしょう。
フランス人の道と違いカフェが少ないので、朝からカフェで朝食をとることができませんので注意しましょう。
休憩でお世話になるカフェですが、飲み物が2ユーロ前後ですので、気軽に利用できます。
長距離あるく足や体を休める貴重な場所ですし、ペリグリーノたちの交流場所でもあります。
休憩だけでなく、カフェでメヌーを食べたり、ピンチョスを食べて夕食にしたり、いろんな利用の仕方があり、巡礼中お世話になります。
日本と違いトイレだけ借りることはできませんので、なにかしら注文するか、トイレ使用料1ユーロくらい払うことになります。
カフェの相場
・ミネラルウォーター 1.5ユーロ
・アメリカーノ 1.5〜2ユーロ
・カフェコンレチェ(ミルク入り珈琲) 2〜2.5ユーロ
・ビール・ワイン 1.5〜2ユーロ
・シンプルなトースト 1.5〜2ユーロ
・ボカティージョ 3ユーロ〜
・トルティージャ 1.5〜2ユーロ
・ピンチョス 1.5〜5ユーロ
・シーフード系ピンチョス 5ユーロ〜10ユーロ
ほとんどのアルベルゲにキッチンがありますので、多くの巡礼者が自炊をしています。
また、朝食や持ち歩き用の水や食べ物をスーパーで買い揃えます。
毎日スーパーに行けるくらい、泊まる町や通過する町にスーパーがありますので、欲しいものを手に入れやすいでしょう。
ただし、小さな町の土日は休みの可能性がありますので注意が必要です。
日本の菓子パンはありませんが、クロワッサン、ピザパンのようなものはスーパーで手に入ります。
食パンなど柔らかいパンも売っています。
スナック菓子などは、日本で売っている海外のお菓子の値段と同じくらいだと思っているといいでしょう。
果物や野菜は量り売りですが、日本と同じくらいか、ものによって安いものがあります。
売り場に秤がありますので、値段確認して大丈夫です。
スーパーマーゲットの相場
・ミネラルウォーター 0.3〜0.5ユーロ
・コーラなどジュース類 1.5〜2ユーロ
・バゲッド 1ユーロ
・ハム・チーズ 2ユーロ〜
・ヨーグルト 1ユーロ〜
・アイス 2ユーロ
・果物 量り売り
薬局も知っておいた方がいいでしょう。
ちょっとした日用品は、スーパーで買えますが、薬関係は薬局になります。
薬局も多くありますので、安心して大丈夫でしょう。
日本のドラッグストアーとは違い、定価で購入する感じになります。
安売りはしておらず、ちょっとしたものも定価で購入するので高く感じます。
薬関係も、ものすごく高いわけではありませんが、日本より高くなると思います。
実際にかかった食費や雑費は、ざっくりした計算になりますが、¥124000くらいでした。
サンティアゴ巡礼 北の道 828km 39日間の費用
交通費 ¥174880
宿泊費 ¥108000
食費 ¥124000
合計 ¥406880 でした。
コロナ後は、アルベルゲ代、オエリグリーヌメヌーの料金が少し値上がりしていました。
また、コロナや戦争の影響で航空券が高いのと、円安の影響で巡礼費が高くなっていますが、この辺りは下がることもありますので、行く時期によって変わってくると思います。
歩いて、食べて、寝るというシンプルな日々。
そこで出会う仲間たち。
観光旅行では味わえない、素晴らしい体験ができるサンティアゴ巡礼。
興味がある方は、旅の動画「サンティアゴ巡礼 北の道 2023」やフランス人の道などもご紹介していますのでご覧ください。
Buen Camino!!
RIRI