今日、私は10km歩いて休憩の日にすることにし、みんなは次の町まで31km歩く。
アルベルゲの関係で、10kmか31kmの選択っていうのも北の道の辛いところ。
マノロとはスタートから一緒だったし、エヴィリーナはスタートから1週間後あたりから。
最初の頃一緒だった仲間たちはどこに行ってしまったんだろう・・・。
マノロとエヴィリーナが唯一の初期メンバー。
そしてメルセデスは中盤からだけど、一番長い時間一緒にいたと思う。
大好きな3人と歩くのもあと10kmなんだなと思うと、朝から涙が溢れ出そうになる。
お別れなんてしたくないけど、お互いの巡礼を尊重すると必然なことで魂は受け入れている。
それにマノロは毎年巡礼をしている狂人で、エヴィリーナもあちこち歩く旅をしていて、次の巡礼は冬と決めているくらい。
メルセデスはスペインのマドリードなので、私がスペインに行く時に声をかければ会える気がしている。
私自身が、そんなに人付き合いがいいわけではないので、日本でもスペインでもポーランドでも、久しぶり!って会う回数がそんなに変わらないようにも思っていたり。
そのくらいまた巡礼をしよう!って私も思っている。
巡礼の魅力に取り憑かれた人たちは、何度も何度もサンティアゴに戻ってくる。
最後の10kmでもマイペースっぷりは変わらない。
みんなそれぞれのペースで歩き、今日もラズベリーなどのフルーツをもぎ取って食べ歩き(笑)
私の狙いはブラックトマトだったけど、それは敷地内だからダメだね!ってことで諦める。
「まーた食べてるの!?」「まーた取ってるの!?」なんてやり取りも今日が最後かと思うとやっぱり寂しい。
マノロとメルセデスは常習犯だからね!
いつもと変わらない10kmはあっという間で、まだ10時なんだけどってみんなで爆笑。
「最後のカフェだからワイン奢ろうか!?」って言っても「まだ朝だよ!あと20km!」って断られ、みんないつもの朝食を食べる。
それでも私は、今日はここで歩くのは終わり。
お別れのハグをしてから涙が止まらなかった。
みんなが歩いていくのを見守り、公園でひとり泣き。
本当に一緒に歩いてくれたことがありがたかった。
アルベルゲで会うたけでも、たった10分一緒に歩いてまた分かれても、彼らの存在が巡礼をする心の支えとしてどれだけ大きかったことか。
寂しくないと言ったら嘘かもしれないけれど、寂しさはあまりなかった。
私の魂は、これから自分のペースで歩き、自分のペースで時間を使えることに安堵感を感じてもいたし、ここから先は、なんとか自分でできる!とも思えていた。
だから、今日の選択は、私にとって前向きなことで、これが私の巡礼なんだと。
アルベルゲで日記を書く。
疲れが溜まっているから寝ればいいものを、10kmしか歩いていないので1時間くらいウトウトするだけで眠れなかった。
だからビールとポテチをつまみながら日記を書く。
ちょっと書いてはボ〜ッとして。
疲れすぎて思考が働かず、日記もぜんぜん進まない。
最初の頃は、この思考停止があまりの疲労のためだと思っていて、体が慣れてくれば思考も動き出すと。
思考がぜんぜん動かないまま終盤を迎えようとしている今、密かにわかっていることがあった。
この思考停止は、思考が止まっているのではなく、「今に100%生きている」からなのだと。
ただただここに存在している時間。
ビールを飲んでポテチを食べているこの瞬間。
実はいろんなことが起きていた。
日記を書くよりも、目の前の現実、この瞬間に私はいた。
私の悪い癖。
いろんなことを詰め込みすぎていた。
せっかくの巡礼だからあれもやりたい、これもやりたい!と。
それが疲労の原因の1つでもある。
結局できないことが排除されていくのだけど、できない自分を責めたり、焦ったりして。
そんな無駄というのか、今という瞬間に必要ないことを思い知らされている瞬間でもあったりする。
Navia – La Caridad 10.15km
A Carida Pilgrims Hostel 8€
22883歩
Buen Camino!!
RIRI
関連Blog:サンティアゴ巡礼について
サンティアゴ巡礼フランス人の道2019
サンティアゴ巡礼北の道2023